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めぐり逢い

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懐かしい名前

今日はハルさんに教えて頂いて、北山修さんの最後の授業を携帯からですが、拝見しました。
(NHK教育テレビ22時25分から、、4回シリーズです)
『戦争を知らない子ども達』や『おらは死んじまっただ』『あの素晴らしい愛をもう一度』などのフォークソングで有名な方でした。精神科医としてのキャリアの長い方で大学の先生として、心理学を教えていらっしゃるとは存じなくて。恥ずかしい事でした。心には表と裏があり、その心を現すのに言葉があると。確かに喜びや悲しみもろもろの感情を人は言葉に語り綴って来ましたね。

北山修さんで思い出したのは、ペンフレンドの事。17歳の誕生日プレゼントに『戦争を知らない子ども達』の文庫本と一緒に添えられた手紙の中に一編の北山修さんの詩と自作の詩が何編か添えられていました。

『出発の歌』北山修

人生に目的なんかない
始まりだけである
どんなにえらい哲学者が
人生の目的をでっち上げたところで
子どもの『なぜ』と言う可愛い一言で
その哲学者の研究は
哀れにも崩れ去ってしまう

イデオロギーも嫌いだ
イデオロギーはいつも
それを信じていた人間を裏切る


人生に目的なんかない
だから人間は泣くことを覚え
笑ってごまかすようになった

歩いているのではなく
歩かされているような不安
動いているのではなく
動かされているような不安
そんな不安ばかりが募る

山の向こうに
幸せなんか無いことを知り
カール・ブッセは泣いたそうだが
私なら
笑いながら歩いていく

これが
私にとっての生きるということ
目的なんかないけれど
笑いながら
淡々として
歩いていこう
たんたんとして
歩いていこう

きっと
何かが
見えるに違いない


*********************************

ペンフレンドの詩
無題です。


そっとさしのべたその手に
あなたのやさしさがある

じっと見つめるその目に
あなたの真がつたわる
こんなに幸福でいいのでしょうか

愛されることの喜びと
愛することの喜び
心の中を行ったり来たり

これが幸福というものでしょうか
                       
             節子

高校二年生の女の子が作った詩です。

当時長野県の更埴市倉科と言う地にお住まいでしたが今はどこにいらっしゃるのか音信不通になって長い時が過ぎ、三年程前に投函した手紙も舞い戻りました。

おばあちゃんになっても文通しようと言う約束は果たせなかったけれど、こうやってあなたの存在を折々に感じさせて頂いています。
懐かしい思い出を閉じ込めたあなたからのプレゼントが目の前にある不思議。
女らしい達筆な文字がセピア色の中に浮き上がってきます。

あなたの詩に私の絵を添えた詩集を作りたい夢は叶わなかったけれど、ここに 何故かしら、本の形になって、山閑人の片隅にひっそりとあるのがなんだかあなたらしくて。

まだ会った事もない写真交換だけのペンフレンドだけど、沢山の人の中からも探せる位によく覚えているわ。

懐かしさに胸がいっぱいです。あの頃何をそんなに書く事があったんだろう。
毎週、それも便せん10枚もね。

切手代を浮かす為にエアメール用の薄い便せんに書いてましたっけ。
あなたの純粋な恋物語も今は記憶の彼方ね。
いつかあなたの住む街を訪れたいと願っています。
話にいつも上っていた杏の花の咲き乱れる頃に。

節ちゃん
どうぞ、この青空の下、お元気でいて下さいね。

ママ
by sankanjin | 2010-07-27 04:23 | ママの日記

山閑人ママのつれづれ日記。岩の上に立つ手作りの喫茶店、山閑人。創設者である新里眞紗生の漢詩、木版画など店内に陳列しています。一緒に子供達の作品もご紹介。美味しい水で点てた珈琲と一緒にお楽しみ下さい。


by 山閑人ママ